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第100回日本皮膚科学会総会・学術大会が2001年4月6日から8日までの3日間,慶應義塾大学医学部皮膚科学教室・西川武二教授を会頭に東京・京王プラザホテルにて行われた.1901年以来開催されてきた日本皮膚科学会の100回目に当たり,多くの記念行事が企画されていた.学会2日目に行われた記念式典・講演会・祝賀会,100回記念特別シンポジウム「日本人の皮膚科学への貢献」,「先人たちの足跡」と銘打たれた記念特別展示,記念切手の発行などがそれであり,ポスター会場には記念ワインも用意された.
今学会はまた,21世紀の最初を飾るものでもあった.会頭講演を皮切りに,土肥記念国際交換講座,7題の特別講演(IL),「2001年皮膚の旅」を統一テーマにした33題に及ぶ教育講演(EL),7つのシンポジウム(SY),16のワークショップ(WS),382題のポスター(P),8題のCPC,18のランチョンセミナー(LS),6つのイブニングセミナー(ES)などから構成された学会プログラムは,第100回の区切りとして日本人の皮膚科学におけるこれまでの貢献を検証するとともに,医療政策や保険診療上の諸問題を含む皮膚科および皮膚科学の現在を分析し,新世紀の皮膚科学を「地球時代の皮膚科学」と位置づけて皮膚科の未来を遠望するという壮大な内容になっていた.皮膚科領域を超えた内外の研究者による招待講演が行われ,海外からも第41回土肥記念国際交換講座のジュネーブ大学・Saurat教授をはじめ,特別講演の米国NIH・Katz教授やウイーン大学・Wolff教授など多くの研究者が参加された.また,シンポジウム「Pemphigus and pemphigoid 2001」は英語による国際シンポジウムであった.第100回記念特別講演の大阪大学・岸本忠三総長の「生命科学の世紀」,ゲノム解読計画で21番目と22番染色体の塩基配列に貢献された慶應義塾大学・清水信義教授の「ヒトゲノム解析の最前線と医療へのインパクト」,京都大学・月田承一郎教授の「上皮細胞の時代」などのILは生命科学の未来を見据えた内容であった.これらの一連の講演や企画内容は,これからの皮膚科学の有りようについて1つの方向性を指し示すとともに,日本の皮膚科学の未来への夢と自信と,果たすべき役割への決意といった西川会頭のメッセージを伝えるに十分であった.
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