Japanese
English
症例報告
カルシウム拮抗剤による歯肉増殖症の3例—ニフェジピンによる2症例と塩酸マニジピンによる1症例
Three cases of calcium antagonist-induced gingival overgrowth:Two cases of nifedipine-induced and one case of manidipine-induced gingival overgrowth
村本 剛三
1,2
,
内平 孝雄
3
,
亀井 敏昭
4
,
武藤 正彦
5
Gozo MURAMOTO
1,2
,
Takao UCHIHIRA
3
,
Toshiaki KAMEI
4
,
Masahiko MUTO
5
1萩市立病院皮膚科
2萩市見島診療所
3山口県立中央病院皮膚科
4山口県立中央病院病理科
5山口大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Hagi Municipal Hospital
2Hagi Mishima Clinic
3Department of Dermatology, Yamaguchi Central Hospital
4Department of Pathology, Yamaguchi Central Hospital
5Department of Dermatology, Yamaguchi University School of Medicine
キーワード:
歯肉増殖症
,
カルシウム拮抗剤
,
ニフェジピン
,
マニジピン
Keyword:
歯肉増殖症
,
カルシウム拮抗剤
,
ニフェジピン
,
マニジピン
pp.913-916
発行日 2000年10月1日
Published Date 2000/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412903380
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47歳男性と72歳男性に生じたニフェジピンによる歯肉増殖症2例と68歳男性に生じた塩酸マニジピンによる同症1例を報告した.3症例とも下顎前歯部の歯肉のみ腫脹し,他に異常を認めなかった.内服期間はそれぞれ16か月,8年,10年であった.いずれも原因と考えられたカルシウム拮抗剤のみ中止し,ACE阻害剤であるエナラプリルに変更した.歯肉増殖は薬剤変更2週から4週間後より改善し始め,1〜4か月後には全例とも正常化した.その間,血圧も良好にコントロールされた.生検の病理組織像は上皮の肥厚,線維性結合組織の増生,炎症性細胞浸潤を呈していた.カルシウム拮抗剤による歯肉増殖症の典型例と考えられた.
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