Japanese
English
症例報告
カルシウム拮抗剤投与により皮疹の増悪をみた乾癬の1例
A Case of Psoriasis Exacerbated by Calcium Antagonist
斎藤 すみ
1,2
,
早川 広樹
1
,
影山 恵
1
,
相原 道子
1
,
池澤 善郎
1
,
中嶋 弘
1
Sumi SAITO
1,2
,
Hiroki HAYAKAWA
1
,
Megumi KAGEYAMA
1
,
Michiko AIHARA
1
,
Zenro IKEZAWA
1
,
Hiroshi NAKAJIMA
1
1横浜市立大学医学部皮膚科学教室
2横浜市立大学附属浦舟病院皮膚科
1Department of Dermatology, Yokohama City University School of Medicine
キーワード:
乾癬
,
カルシウム拮抗剤
,
薬剤アレルギー
Keyword:
乾癬
,
カルシウム拮抗剤
,
薬剤アレルギー
pp.361-364
発行日 1993年4月1日
Published Date 1993/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900858
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カルシウム拮抗剤のニフェジピン,ニソルジピン投与により皮疹が悪化し,投与中止により軽快した乾癬の症例を経験した.56歳,男.約10年前より高血圧症にて加療中であった.約6年前より乾癬と思われる皮膚症状があった.高血圧症と糖尿病の治療薬を服用中に皮疹が著明に悪化し,治療のために入院した.ニフェジピンを含む服用薬剤の中止により軽快していたが,薬剤の再投与により皮疹の悪化が見られれた.その後,内科よりニソルジピンを投与されたところ,皮疹はやはり拡大,増悪した.同じカルシウム拮抗剤である塩酸ジルチアゼムの中止では明らかな軽快傾向は見られず,さらにその再投与により皮疹の悪化は見られなかったが,ニフェジピンに構造式が極めて類似したニソルジピンの投与により皮疹の著明な悪化が見られた.したがって,自験例においては薬剤間の交差反応が示唆されたことより,カルシウム拮抗剤の持つ薬理作用のみならず,薬剤アレルギーの関与が示唆された.
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