Japanese
English
症例報告
伝染性紅斑罹患妊婦に合併した胎児水腫の1例
A case of hydrops fetalis occurring in a pregnant woman suffering from erythema infectiosum
野崎 重之
1
,
飯島 正文
1
,
藤澤 龍一
1
Shigeyuki NOZAKI
1
,
Masafumi IIJIMA
1
,
Kyuichi FUJISAWA
1
1昭和大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Showa University School of Medicine
キーワード:
伝染性紅斑
,
妊婦
,
胎児水腫
,
パルボウイルス
Keyword:
伝染性紅斑
,
妊婦
,
胎児水腫
,
パルボウイルス
pp.863-865
発行日 1994年9月1日
Published Date 1994/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901314
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伝染性紅斑妊婦に合併し急速な転帰をとった胎児水腫の1例を報告した.症例は29歳,女性.夫に伝染性紅斑様症状が先行したため家族内感染と考えられた.前駆症状として微熱が出現した後,顔面と四肢に紅斑を生じたため妊娠10週時に来院した.血清のヒトパルボウイルスB19IgM抗体が3.77と上昇していたため,本例を妊婦に生じた伝染性紅斑と診断した.妊娠12週2日より産婦人科で胎児への合併症につき経過観察を開始した.妊娠18週0日超音波検査にて胎児水腫を認めなかったが,2日後の超音波検査時に腹水および心嚢水を認め,その翌日胎児心拍運動の停止を超音波検査で確認するに至った.本例はパルボウイルスの胎内感染により急速に子宮内胎児死亡に至ったが,パルボウイルスの感染像が伝染性紅斑のみでないことを知る上で貴重な症例であった.
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