Japanese
English
原著
成人型アトピー性皮膚炎患者に対する掻破行動抑制指導—顔面の症状と習慣性の自覚について
Instruction not to scratch for adult atopic dermatitis patients
経 隆紀
1,2
,
豊田 雅彦
2
,
関 太輔
2
,
諸橋 正昭
2
Takanori KYO
1,2
,
Masahiko TOYODA
2
,
Taisuke SEKI
2
,
Masaaki MOROHASHI
2
1厚生連中条病院皮膚科
2富山医科薬科大学皮膚科学教室
1Division of Dermatology, Kouseiren Nakajou Hospital
2Department of Dermatology, Faculty of Medicine, Toyama Medical and Pharmaceutical University
キーワード:
成人型アトピー性皮膚炎
,
顔面症状
,
習慣性掻破
,
掻破行動抑制
Keyword:
成人型アトピー性皮膚炎
,
顔面症状
,
習慣性掻破
,
掻破行動抑制
pp.777-780
発行日 2000年9月1日
Published Date 2000/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412903345
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顔面症状を主とした成人型アトピー性皮膚炎患者にとって掻破行動が悪化因子であることは明白である.顔への習慣性接触により痒みと習慣性掻破行動を誘発している成人型アトピー性皮膚炎患者の存在がある.それらの患者に顔への接触,掻破行動,症状悪化の因果関係を図を用いて可能な限り簡明に説明することによって掻破行動の抑制と症状の軽減を行い得た症例を数例経験し,今回その2症例を報告した.掻破行動の抑制指導を行う上で明確な因果関係,目的意識の提示は患者への痒みを我慢するという精神的負担を減らし無理のない掻破行動の抑制が可能となり,同時にステロイド外用薬への依存感を低減させ,薬剤の安全かつ適切な使用を促す効果も推測される.アレルギー性炎症説および皮膚バリアー機能不全説のみでは説明のつけがたい成人型アトピー性皮膚炎患者の対処法について,掻破行動の面から検討される必要があると思われた.
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