Japanese
English
症例報告
巨大嚢腫を形成した皮膚結核の1例
A case of tuberculosis cutis which formed a huge cyst
柴山 久代
1
,
加藤 文美香
1
,
近藤 隆男
1
,
満間 照之
2
,
原 一夫
3
Hisayo SHIBAYAMA
1
,
Fumika KATOU
1
,
Takao KONDOU
1
,
Teruyuki MITSUMA
2
,
Kazuo HARA
3
1名古屋掖済会病院皮膚科
2名古屋大学医学部皮膚科学教室
3愛知医科大学病院病理部
1Division of Dermatology, Nagoya Ekisaikai Hospital
2Department of Dermatology, Nagoya University Medical School
3Division of Pathology, Aichi Medical School Hospital
キーワード:
皮膚結核
,
無痛性嚢腫
,
瘻孔
Keyword:
皮膚結核
,
無痛性嚢腫
,
瘻孔
pp.639-641
発行日 2000年7月1日
Published Date 2000/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412903311
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82歳,女性.5年前から肺に異常陰影を認める.初診の2日前から,右腋窩が腫脹し,手拳大の無痛性の嚢腫を形成した.穿刺にて100mlの黄色漿液性の排液を得た.嚢腫下に索状物を認めたので生検したところ,病理組織学的にLanghans型巨細胞を含む類上皮細胞性肉芽腫の像を呈していた.Ziehl-Neelsen染色は陰性であった.ツベルクリン反応は強陽性で,右腋窩MRIで右上腕骨前面に膿瘍を示唆する所見を得た.生検部の結核菌培養は陽性であった.イソニアジド,リファンピシンの2剤併用療法で6か月後嚢腫は消失したが,創部は閉鎖していない.以上より,陳旧性肺結核から血行性に右上腕骨前面に膿瘍を形成し,皮膚の方へ痩孔をつくり嚢腫を形成したものと推察した.
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