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特集 最近のトピックス Clinical Dermatology 2000
2 皮膚疾患の病態
アトピー性皮膚炎とケモカイン
A role of chemokines in pathogenesis of atopic dermatitis
片桐 一元
1
,
波多野 豊
1
Kazumoto KATAGIRI
1
,
Yutaka HATANO
1
1大分医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Oita Medical University
キーワード:
IL−8
,
MIP−1α
,
RANTES
,
PBMC
,
アトピー性皮膚炎
Keyword:
IL−8
,
MIP−1α
,
RANTES
,
PBMC
,
アトピー性皮膚炎
pp.57-62
発行日 2000年4月15日
Published Date 2000/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412903205
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ケモカインは活性化された白血球,線維芽細胞,血管内皮細胞,上皮細胞等種々の細胞から産生され,白血球の遊走を誘導する.特に炎症局所で浸潤細胞から産生されるケモカインはautocrine,paracrine的に病態形成や維持に関与しているものと思われる.我々は,アトピー性皮膚炎患者末梢血単核球を材料としてRT-PCR法を用いてケモカインのmRNA発現を検討した.IL−8,MIP−1αの発現が充進し,RANTESの発現は健常人と差がなかった.治療前後の比較ではIL−8,MIP−1αは皮疹の改善と相関し著明に発現が低下した.同時に行ったサイトカインの発現の比較では明らかな変動は認められず,末梢血単核球の産生するケモカインはアトピー性皮膚炎の皮疹の形成に,もしくは病勢の変動に直接的に関与しているものと思われた.
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