今月の主題 花粉症克服への展望
技術解説
花粉症におけるケモカイン測定
菅原 由人
1
,
山下 哲次
2
,
寺田 修久
3
Naoto SUGAWARA
1
,
Tetsuji YAMASHITA
2
,
Nobuhisa TERADA
3
1株式会社三菱化学ビーシーエル検査第4部
2株式会社三菱化学ビーシーエル学術部
3E・N・Tアライアンス
キーワード:
RANTES
,
Eotaxin
,
TARC
Keyword:
RANTES
,
Eotaxin
,
TARC
pp.170-176
発行日 2006年2月15日
Published Date 2006/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542100025
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ケモカインは白血球遊走活性をもつサイトカインであり,これまでに様々な疾患への関与が報告されている.花粉症は吸入された花粉抗原の感作により産生された特異的IgE抗体が花粉抗原と反応することに始まる局所での炎症反応である.その機序としては,マスト細胞から産生されるケミカルメディエーター遊離および炎症局所に存在する好酸球からのメディエーター遊離により病態が形成されるが,局所への好酸球遊走にケモカインが重要な役割を果たしている.また,最近Th2細胞(helperT細胞type2)選択的な遊走活性をもつケモカインが鼻アレルギーに関与していることが報告され,ケモカイン測定は花粉症の病態解明,さらには治療モニタリングマーカーとしての有用性が示唆されている.〔臨床検査 50:170-176,2006〕
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