Japanese
English
今月の症例
抗ラミニン5型瘢痕性類天疱瘡の1例
A case of anti-laminin 5 cicatricial pemphigoid
大塚 知子
1
,
布袋 祐子
1
,
三浦 龍司
1
,
大畑 恵之
1
,
天谷 雅行
1
,
清水 宏
1
,
西川 武二
1
,
橋本 明彦
2
,
山本 達雄
2
Tomoko OHTSUKA
1
,
Yuko FUTEI
1
,
Ryuji MIURA
1
,
Yoshiyuki OHATA
1
,
Masayuki AMAGAI
1
,
Hiroshi SHIMIZU
1
,
Takeji NISHIKAWA
1
,
Akihiko HASHIMOTO
2
,
Tatsuo YAMAMOTO
2
1慶應義塾大学医学部皮膚科学教室
2東京都老人医療センター皮膚科
1Department of Dermatology, Keio University School of Medicine
2Department of Dermatology, Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital
キーワード:
抗ラミニン5自己抗体
,
瘢痕性類天疱瘡
,
後天性表皮水疱症
Keyword:
抗ラミニン5自己抗体
,
瘢痕性類天疱瘡
,
後天性表皮水疱症
pp.209-212
発行日 2000年3月1日
Published Date 2000/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412903148
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75歳,女性.初診時,口腔内を含むほぼ全身に緊満性水疱と難治性のびらんを認めた.病理組織学的に表皮下水疱の形成を認め,さらに蛍光抗体直接法にて表皮基底膜部にIgG,C3の線状沈着を,1M食塩水剥離ヒト皮膚を基質とした間接法にて真皮側に陽性を認めた.これらの所見より当初後天性表皮水疱症が疑われた.さらに標的抗原の検討を加えたところ,免疫プロット法にて類天疱瘡抗原(BP230,BP180),VII型コラーゲンに反応せず,免疫沈降法にてラミニン5(エピリグリン)と反応した.これらの結果より本症例は抗ラミニン5型瘢痕性類天疱瘡と確定診断された.抗ラミニン5型瘢痕性類天疱瘡と後天性表皮水疱症の鑑別診断は蛍光抗体間接法のみでは困難であり,さらに標的抗原を免疫化学的方法により同定することが必要であると考えられた.
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