Japanese
English
症例報告
抗Dsg 1 IgA抗体を有し,膿疱形成を認めた尋常性/落葉状天疱瘡の1例
A case of pemphigus vulgaris/foliaceus with anti-Dsg 1 IgA antibody presenting pustule formation
布袋 祐子
1
,
石井 健
1
,
畑 康樹
1
,
大畑 恵之
1
,
天谷 雅行
1
,
清水 宏
1
,
西川 武二
1
Yuko FUTEI
1
,
Ken ISHII
1
,
Yasuki HATA
1
,
Yoshiyuki OHATA
1
,
Masayuki AMAGAI
1
,
Hiroshi SHIMIZU
1
,
Takeji NISHIKAWA
1
1慶應義塾大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Keio University School of Medicine
キーワード:
自己免疫性水疱症
,
好中球遊走
,
膿疱
,
IgA自己抗体
Keyword:
自己免疫性水疱症
,
好中球遊走
,
膿疱
,
IgA自己抗体
pp.21-24
発行日 2000年1月1日
Published Date 2000/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412903098
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落葉状天疱瘡から尋常性天疱瘡に移行した患者において抗Dsg 1 IgA抗体を有し,膿疱形成を伴った症例を経験したのでここに報告する.症例は35歳,男性.臨床的に躯幹および四肢に水疱,びらん,環状紅斑に加え膿疱形成を認め,天疱瘡としては非典型的な臨床像を呈した.病理組織学的に角層下および基底層直上に好中球を多数含む膿疱形成を認め,直接・間接蛍光抗体法にて表皮細胞間にIgGおよびIgAの反応性も認めた.本症例の血中抗Dsg 1 IgA抗体はELISA法にて初診時より陽性であることが確認された.また間接蛍光抗体法におけるIgAの反応性は組換えDsg 1と前処理することにより完全に吸収除去され,Dsg 1以外の表皮細胞表面分子に対するIgA抗体は存在しないことが確認された.本症例のごとく臨床上膿疱形成を認め,非典型的な臨床を呈する際にはIgGのみならずIgA自己抗体の存在も検討することが必要と考えられた.
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