Japanese
English
症例報告
肛門周囲膿瘍の治療中に非イオン性造影剤の使用で重篤な血小板減少を呈した1例
A case of severe thrombocytopenia induced by nonionic contrast media during treatment of perianal abscess
安川 香菜
1
,
加藤 直子
1
,
木村 久美子
1
,
三国 主税
2
Kana YASUKAWA
1
,
Naoko KATO
1
,
Kumiko KIMURA
1
,
Chikara MIKUNI
2
1国立札幌病院皮膚科
2国立札幌病院血液内科
1Department of Dermatology, and Clinical Reserch Institute, National Sapporo Hospital
2Department of Hematology, National Sapporo Hospital
キーワード:
造影剤
,
イオヘキソール
,
血小板減少
,
肝機能異常
,
血球貪食
Keyword:
造影剤
,
イオヘキソール
,
血小板減少
,
肝機能異常
,
血球貪食
pp.625-628
発行日 1999年7月1日
Published Date 1999/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412902951
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53歳,女性.再生不良性貧血のためプレドニゾロン(PSL)10mg内服中であった.1998年3月から臀部・肛門周囲に熱感,発赤が出現し肛門周囲膿瘍と診断され,抗生物質の点滴治療を目的として入院した.検査にてCRP値の異常高値を認め,腹腔内膿瘍の存在も疑われたため,造影CTを施行した.翌日から肝機能異常が出現し,翌々日には点状紫斑,口腔内出血が認められた.血小板数は9000/μlに減少した.原因として非イオン性造影剤のイオヘキソールが疑われた.4日後には白血球と赤血球も減少し始めた.骨髄では赤血球を貧食するマクロファージが認められた.PSLを20mgに増量し,肝庇護剤の投与と血小板輸血を行い,10日後には肝機能,末梢血に改善が認められた.イオヘキソールについてリンパ球芽球化試験を行ったが陰性であった.
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