Japanese
English
症例報告
吉草酸ベタメタゾンによる接触皮膚炎の1例
A case of contact dermatitis due to betamethasone-17-valerate
近藤 雅子
1
,
西嶋 攝子
1
,
三家 薫
2
Masako KONDO
1
,
Setsuko NISHIJIMA
1
,
Kaoru MITSUYA
2
1関西医科大学附属香里病院皮膚科
2関西医科大学皮膚科学教室
1Division of Dermatology, Kansai Medical University Kori Branch Hospital
2Department of Dermatology, Kansai Medical University
キーワード:
接触皮膚炎
,
吉草酸ベタメタゾン軟膏
,
交叉感作
,
flare-up
Keyword:
接触皮膚炎
,
吉草酸ベタメタゾン軟膏
,
交叉感作
,
flare-up
pp.507-509
発行日 1999年6月1日
Published Date 1999/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412902922
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28歳,女性.鼻唇溝部の小水疱に硫酸ゲンタマイシン含有吉草酸ベタメタゾン軟膏を外用し皮疹の増悪を認めた.貼布試験で吉草酸ベタメタゾンの原末および希釈系列では陽性,硫酸ゲンタマイシンと基剤はすべて陰性を示した.また20種類のステロイド剤の貼布試験を行い,使用歴のない他のベタメタゾン系とデキサメタゾン系の軟膏が陽性を示し,交叉感作を認めた.さらにリン酸ベタメタゾンナトリウムによる皮内テストでは即時型アレルギー反応を認め,後のベタメタゾン・d-マレイン酸クロルフェニラミンの内服テストでは,皮内テスト部位にflare-upを認めた.抗原性に関しては,貼布試験が陽性であったベタメタゾン系とデキサメタゾン系の共通構造であるC16位のメチル基,C20位のケトン基,C21位のアルコール基の空間の関与が推測された.
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