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特集 最近のトピックス1998 Clinical Dermatology 1998
4 皮膚疾患治療のポイント
アトピー性皮膚炎におけるステロイド外用剤の使い方
The use of topical corticosteroids for patients with atopic dermatitis
中村 晃一郎
1
,
湧川 基史
2
,
福中 秀典
1
,
林 伸和
1
,
古江 増隆
3
,
玉置 邦彦
1
Koichiro NAKAMURA
1
,
Motoshi WAKUGAWA
2
,
Hidenori FUKUNAKA
1
,
Nobukazu HAYASHI
1
,
Masutaka FURUE
3
,
Kunihiko TAMAKI
1
1東京大学医学部皮膚科学教室
2東京大学医学部分院皮膚科
3九州大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Faculty of Medicine, University of Tokyo
2Department of Dermatology, Tokyo University Branch Hospital
3Department of Dermatology, Faculty of Medicine, Kyushu University
キーワード:
アトピー性皮膚炎
,
ステロイド外用療法
,
副作用
,
難治性顔面紅斑
Keyword:
アトピー性皮膚炎
,
ステロイド外用療法
,
副作用
,
難治性顔面紅斑
pp.99-102
発行日 1998年4月15日
Published Date 1998/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412902520
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ステロイド外用剤はアトピー性皮膚炎(AD)の治療において中心的な役割を担っており,ADの長期コントロールに必要不可欠な薬剤である.しかし,近年成人型ADの顔面の難治性紅斑,頸部色素沈着などの難治性皮膚病変の出現が社会問題となっており,ステロイドを危惧するなどの極端な意見も報じられている.ステロイドの副作用を警戒するあまり,ステロイドを外用しなかったり,弱すぎるステロイド外用療法のみを行えば,ADの皮疹を鎮静化することができず患者の満足を得られない.我々はADのステロイド治療法として,まず十分なステロイド外用を行い,次に弱いステロイド剤,保湿剤を用いることによって,長期的なADのコントロールを心がけている.ステロイド外用剤のもつ副作用を把握し,有効にステロイド外用剤を投与することが,ADの皮疹のコントロールに必要と思われる.
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