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特集 最近のトピックス1998 Clinical Dermatology 1998
1 最近話題の皮膚疾患
アトピー性皮膚炎患者にみられる重症の角結膜病変について
Severe keratoconjunctivitis in patients with atopic dermatitis
檜垣 祐子
1
,
高村 悦子
2
,
川島 眞
1
Yuko HIGAKI
1
,
Etsuko TAKAMURA
2
,
Makoto KAWASHIMA
1
1東京女子医科大学皮膚科学教室
2東京女子医科大学眼科
1Department of Dermatology, Tokyo Women's Medical College
2Department of Ophthalmology, Tokyo Women's Medical College
キーワード:
アトピー性皮膚炎
,
眼瞼皮膚炎
,
角結膜炎
,
閉瞼不全
Keyword:
アトピー性皮膚炎
,
眼瞼皮膚炎
,
角結膜炎
,
閉瞼不全
pp.18-21
発行日 1998年4月15日
Published Date 1998/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412902502
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アトピー性皮膚炎に合併する重症な角結膜病変のために視力障害を来す例が報告されている.過去5年間に当院では春季カタルに類似し,しかもより重症の角結膜病変を有する症例を22例経験した.このうち特に,角膜への血管侵入と混濁を認め,瞼結膜の肥厚や瘢痕化を伴うものや結膜の石垣状乳頭増殖に角膜潰瘍,プラークを伴うものが予後の点から重要であるが,この中に眼瞼皮膚炎のコントロールが不十分な症例があり,角結膜病変の増悪因子の一つとなっていると考えられた.すなわち眼瞼皮膚炎により眼瞼が固く腫脹,肥厚するため,閉瞼不全などの異常を来す結果,涙液の交換が不十分となり,乾燥,異物の貯留などによる上皮障害が起きる可能性が考えられる.したがってこれらの患者に対し,眼科医と密に連携し,増悪因子となりうる眼瞼皮膚炎に対し,適切な外用療法を行いコントロールすることが重要であると再認識された.
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