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特集 最近のトピックス1997 Clinical Dermatology 1997
4 皮膚疾患治療のポイント
難治性アトピー性皮膚炎の免疫抑制療法
Immunosuppresive therapy for severe atopic dermatitis
川島 眞
1
Makoto KAWASHIMA
1
1東京女子医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Tokyo Women's Medical College
キーワード:
アトピー性皮膚炎
,
免疫抑制剤
,
シクロスポリンA
,
タクロリムス
,
FK506
Keyword:
アトピー性皮膚炎
,
免疫抑制剤
,
シクロスポリンA
,
タクロリムス
,
FK506
pp.99-103
発行日 1997年4月15日
Published Date 1997/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412902178
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従来のステロイド外用剤および保湿剤による外用療法と抗アレルギー剤の内服療法に反応が乏しい,アトピー性皮膚炎の難治例の増加が指摘されている.そのような治療抵抗性のアトピー性皮膚炎を対象として,移植免疫抑制剤であるシクロスポリンA,タクロリムス(FK−506)の内服あるいは外用療法が試みられている.近年,明らかにされてきたアトピー性皮膚炎におけるアレルギー炎症のメカニズムから考え,これらの免疫抑制剤がステロイドとは異なった機序で効果を発揮することは十分に予想され,また事実臨床試験からも高い効果が認められつつある.しかし,乳幼児期に発症し慢性に経過し,完治に至ることは困難なことも多い疾患であることを考慮すれば,当然リスクとベネフィットの比に重きを置いた評価をせねばならず,その検討は現在慎重に進められている.また,アトピー性皮膚炎の「難治例」の多くはステロイド外用剤に対する恐怖感から十分な治療が行われていない例であることも注意すべきであり,将来治療の現場で使用可能になった場合にも,対象患者の選択は厳密に行われねばならない.
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