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特集 最近のトピックス1998 Clinical Dermatology 1998
1 最近話題の皮膚疾患
MRSAによる伝染性膿痂疹の臨床的,細菌学的,分子疫学的検討
Clinical, bacteriological studies on impetigo contagiosa caused by methicillin resistant Staphylococcus aureus with a genomic analysis by pulsed-field gel electrophoresis
加藤 千草
1
,
水嶋 淳一
1
,
石黒 直子
1
,
川島 眞
1
,
志関 雅幸
2
,
戸塚 恭一
2
,
内山 竹彦
2
,
五十嵐 英夫
3
Chikusa KATO
1
,
Junichi MIZUSHIMA
1
,
Naoko ISHIGURO
1
,
Makoto KAWASHIMA
1
,
Masayuki SHISEKI
2
,
Kyoichi TOTSUKA
2
,
Takehiko UCHIYAMA
2
,
Hideo IGARASHI
3
1東京女子医科大学皮膚科学教室
2東京女子医科大学感染対策科
3東京都立衛生研究所微生物部
1Department of Dermatology, Tokyo Women's Medical College
2Department of Injectious Diseases, Tokyo Women's Medical College
3Department of Microbiology, The Tokyo Metropolitan Research Laboratory of Public Health
キーワード:
伝染性膿痂疹
,
MRSA
,
パルスフィールドゲル電気泳動法
Keyword:
伝染性膿痂疹
,
MRSA
,
パルスフィールドゲル電気泳動法
pp.14-17
発行日 1998年4月15日
Published Date 1998/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412902501
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1996年夏に,都内某保育園で流行したメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)による伝染性膿痂疹8例を検討し報告した.臨床的には一見,痂皮化途上にあると思わせる乾燥性のびらんと小水疱を特徴とした.細菌学的検討では,検出されたMRSAは薬剤感受性パターンが全例同一で,検討しえた7例では全例コアグラーゼI型,ファージI・III・V・雑群,表皮剥脱素B産生株であった.またパルスフィールドゲル電気泳動法による検討でDNAの切断パターンも一致し,同一菌株による水平感染であることが確認された.治療経過としては,当初メチシリン感受性黄色ブドウ球菌(MSSA)の膿痂疹と考えたものの中で,セフェム系が無効で一見痂皮化途上にあると思わせる皮疹が拡大するとともに小水疱を新生して遷延する症例があり,これらではMRSAが単独で検出され,MRSAの膿痂疹の臨床的特徴と考えられた.
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