Japanese
English
症例報告
毛包脂腺系への分化を示したアポクリン型皮膚混合腫瘍の1例
A case of apocrine type mixed tumor of the skin with follicular and sebaceous differentiation
西村 雅恵
1
,
北吉 光
2
,
田中 まり
3
,
大和谷 淑子
3
Masae NISHIMURA
1
,
Hikaru KITAYOSHI
2
,
Mari TANAKA
3
,
Yoshiko YAMATODANI
3
1大阪大学医学部皮膚科学教室
2箕面市立病院形成外科
3箕面市立病院皮膚科
1Department of Dermatology, Osaka University Medical School
2Department of Plastic Surgery, Minoo City Hospital
3Department of Dermatology, Minoo City Hospittal
キーワード:
アポクリン型皮膚混合腫瘍
,
断頭分泌
,
毛包脂腺系
Keyword:
アポクリン型皮膚混合腫瘍
,
断頭分泌
,
毛包脂腺系
pp.164-166
発行日 1998年2月1日
Published Date 1998/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412902443
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62歳,女性.既往歴,家族歴に特記すべきことなし.2年前に右鼻唇溝部に黒色結節を自覚,放置していたが次第に増大した.平成7年8月当科初診.右鼻唇溝部に直径10×5mmの境界明瞭な黒色小結節があり,全切除した.組織像では真皮上層から脂肪織にかけて周囲と明瞭に境界された細胞集塊があった.辺縁は平滑であり,腫瘍の輪郭は左右対称であった.細胞集塊の中に多数の嚢腫および管腔構造を認め,それらに連続して索状の好酸性の細胞集塊があった.管腔構造の壁は2層の細胞からなっており,一部で断頭分泌を認めた.嚢腫の一部は顆粒層を持ち嚢胞壁に連続して脂腺細胞があった.間質にはムチンの沈着を認めた.以上より毛包,脂腺への分化を示すアポクリン型皮膚混合腫瘍と診断した.
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