Japanese
English
症例報告
下腿腓骨筋部に発生した胞巣状軟部肉腫の1例
A case of alveolar soft part sarcoma occurring in the peroneal muscle
台丸 裕
1
,
波多野 智恵
2
,
佐藤 茂樹
2
,
杉田 孝
3
,
西阪 隆
4
Yutaka DAIMARU
1
,
Tomoe HATANO
2
,
Shigeki SATO
2
,
Takashi SUGITA
3
,
Takashi NISHIZAKA
4
1廣島総合病院病理研究検査科
2廣島総合病院皮膚科
3広島大学医学部整形外科学教室
4広島大学医学部第2病理学教室
1Pathology Laboratory, Hiroshima General Hospital
2Department of Dermatology, Hiroshima General Hospital
3Department of Orthopedics, Hiroshima University School of Medicine
42nd Department of Pathology, Hiroshima University School of Medicine
キーワード:
胞巣状軟部肉腫
Keyword:
胞巣状軟部肉腫
pp.73-75
発行日 1998年1月1日
Published Date 1998/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412902419
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17歳,女性.初診の5年前より左下腿に鶏卵大の腫瘤を認め,次第に増大してきた.軽度の貧血を認める.CTでは,腫瘤は腓骨筋内に存在し周囲への浸潤傾向は比較的低い血管豊富な軟部腫瘍である.生検により胞巣状軟部肉腫と診断された.腫瘍の広汎切除を行い広背筋皮弁による再建を行った.腫瘍の大きさは,4.5×3.0×2.7cmで,腓骨への浸潤は認めない.現在,術後7か月を経過するが再発の兆候はない.組織学的には,好酸性の広い細胞質をもつ大型細胞よりなり,細血管が豊富で特徴的な胞巣状の類臓器構造を示す.腫瘍周辺では,脈管侵襲が著明であった.PAS染色で,細胞質内に針状・棒状の結晶構造を認める.腫瘍細胞は免疫組織学的に,des—minとactinが陽性であり,cytokeratinとvimentinは陰性であった.
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