Japanese
English
臨床経験
胞巣状軟部肉腫の特徴的臨床像
The Characteristic Clinical Findings and Behavior of Alveolar Soft Part Sarcoma
久保 忠彦
1
,
杉田 孝
1
,
石田 治
1
,
下瀬 省二
1
,
市川 誠
1
,
新田 泰章
1
,
生田 義和
1
Tadahiko Kubo
1
1広島大学医学部整形外科学教室
1Department of Orthopedic Surgery, Hiroshima University School of Medicine
キーワード:
alveolar soft part sarcoma
,
胞巣状軟部肉腫
,
magnetic resonance imaging
,
MRI
,
surgery
,
手術治療
Keyword:
alveolar soft part sarcoma
,
胞巣状軟部肉腫
,
magnetic resonance imaging
,
MRI
,
surgery
,
手術治療
pp.681-684
発行日 2000年5月25日
Published Date 2000/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903001
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抄録:比較的稀な悪性軟部腫瘍である胞巣状軟部肉腫は,一般的に化学療法や放射線療法の無効例が多く,手術治療が第一選択となる.広範囲切除を行えば局所再発はほとんどないが,遠隔転移は高頻度にみられる予後不良な腫瘍である.今回,われわれは3例の胞巣状軟部肉腫を経験したので報告する.症例1は大腿四頭筋内発生例で追加広範囲切除と術後化学療法を行い,術後15年9カ月の現在,CDFである.症例2は薄筋内発生例で広範囲切除および機能再建を行い,術後6年5カ月の現在,CDFである.症例3は腓骨筋内発生例で広範囲切除を行ったが,術後1年で多発性肺転移を認めたので胸腔鏡下切除を行った.しかし,一部は切除不能であり,術後2年4カ月の現在,AWDである.MRI検査を施行した症例2,3とも,腫瘍はT1,T2強調像でともに高輝度を呈し,鑑別診断に有用であった.一般に,本腫瘍の転移率は高く,遅発性に生じる症例も多いため,長期にわたる慎重な経過観察を行う必要がある.
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