Japanese
English
臨床経験
巨大な腓骨筋滑車による長腓骨筋腱障害の1例
Disturbance of Peroneus Longus Tendon due to Ehlarged Peroneal Trochlea: A Cace Report
木下 誠司
1,2
,
佐藤 進
1
,
藤井 英夫
1
,
広瀬 哲司
1
,
柴田 直樹
1
,
鵜飼 和浩
3
Seiji Kinoshita
1,2
1姫路聖マリア病院整形外科
2現:県立加古川病院
3兵庫県立成人病センター整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Himeji St. Mary's Hospital
キーワード:
腓骨筋滑車
,
peroneal trochlea
,
過形成
,
hypertrophy
,
長腓骨筋腱
,
peroneus longus tendon
Keyword:
腓骨筋滑車
,
peroneal trochlea
,
過形成
,
hypertrophy
,
長腓骨筋腱
,
peroneus longus tendon
pp.91-94
発行日 1993年1月25日
Published Date 1993/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901033
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
抄録:巨大な腓骨筋滑車による長腓骨筋腱障害の1例を経験したので報告する.症例はII歳の女児で歩行時の足関節痛を主訴に受診した.右足関節外果の下方に骨性隆起が突出していた.単純X線像・CT像にて,両側の巨大な腓骨筋滑車の突出と右側の先端部の骨端核様の骨陰影を認めた.保存的治療に抵抗するため手術を施行した.長腓骨筋腱は,巨大な腓骨筋滑車により圧排され扁平化し強く緊張しており,滑車を切除することにより腱の緊張は緩んだ.Burmanは腓骨筋滑車に疼痛を生じる原因として腓骨筋滑車の過形成と腓骨筋腱々鞘炎を挙げているが,本症例では巨大な腓骨筋滑車により長腓骨筋腱が圧迫され疼痛が生じていたと考えている.また,明らかな外傷歴がないこと,および切除標本の病理組織像より,腓骨筋滑車先端の骨端核様の骨陰影は副骨ではないかと考えている.
Copyright © 1993, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.