Japanese
English
症例報告
骨形成を伴った基底細胞腫の1例
A case of basal cell carcinoma with ossification
城所 朋子
1
,
伊東 優
1
,
加藤 まゆみ
1
,
加藤 聖
1
,
高浜 英人
1
,
溝口 昌子
1
Tomoko KIDOKORO
1
,
Masaru ITO
1
,
Mayumi KATO
1
,
Hijiri KATO
1
,
Hideto TAKAHAMA
1
,
Masako MIZOGUCHI
1
1聖マリアンナ医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology, St. Marianna University School of Medicine
キーワード:
基底細胞腫
,
骨形成
,
続発性皮膚骨腫
Keyword:
基底細胞腫
,
骨形成
,
続発性皮膚骨腫
pp.947-949
発行日 1997年10月1日
Published Date 1997/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412902344
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55歳,男性.出生時より左外眼角外側に直径2mm大の色素斑があったという.初診の約1年前より同部が急速に拡大してきたため,当科を受診した.左外眼角外側に17×13mm,境界明瞭な黒色丘疹で縁どられた上半分は紅色びらん局面,下方は表面凹凸のある黒色局面を認めた.さらにそのびらん局面周囲に約5mmにわたり不完全な脱色素斑があった.軽度の出血と疼痛を伴った.基底細胞腫を疑い,全切除施行.組織は表皮連続性に島状,索状に脂肪織直上まで不規則に増殖するbasaloid cellからなる腫瘍塊を認めた.腫瘍塊中の数か所に周囲を好酸性の層状構造で囲まれた脂肪髄を認め,その層状構造の中にはosteocyteと考えられる細胞を認めた.この所見は骨組織と一致し,骨形成を伴う基底細胞腫と診断した.我々が検索した限り骨形成を伴う基底細胞腫の報告は稀であった.
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