Japanese
English
症例報告
悪性増殖性外毛根鞘性嚢腫の1例
A case of malignant proliferating trichilemmal cyst
浜松 徹
1
,
梅村 芳樹
2
,
増谷 衛
2
Tooru HAMAMATSU
1
,
Yoshiki UMEMURA
2
,
Mamoru MASUTANI
2
1東海産業医療団中央病院皮膚科
2藤田保健衛生大学病院皮膚科
1Division of Dermatology, Tokai Industrial Medical Care Group, Central Hospital
2Department of Dermatology, Fujita Health University School of Medicine
キーワード:
悪性増殖性外毛根鞘性嚢腫
Keyword:
悪性増殖性外毛根鞘性嚢腫
pp.369-371
発行日 1997年4月1日
Published Date 1997/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412902155
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56歳,男性.平成5年9月頃より右後頭部に小丘疹が出現し,急激に増大してきた.外科で粉瘤として切除,病理報告上,有棘細胞癌を疑われ,10月5日,当科へ紹介された.拡大切除術後の病理組織像で,腫瘍細胞塊の主体をなす細胞は,細胞質が好塩基性に染まる小型のbasaloid cellから成っていた.その他にはそれよりやや大型の細胞質の明るいclear cellを混じていた.Basaloid cellには大小不同や,核の異型性および分裂像が散見され,外毛根鞘性角化様の角化を示す部位がいくつか観察された.Clear cellも異型性が高く,この一部には特異的好酸性細胞質を有するdyskeratotic cellが散見された.さらにclear cellはPAS染色陽性を呈し,ジアスターゼには消化された.以上より本症例をmalignant proliferating trichilemmal cystと診断した.
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