Japanese
English
今月の症例
歯科用根管治療剤でアナフィラキシーショックをきたした1例
A case of anaphylactic shock caused by dental paste for root canal
佐山 重敏
1
,
田邊 洋
1
,
木崎 二郎
1
Shigetoshi SAYAMA
1
,
Hiroshi TANABE
1
,
Jiro KIZAKI
1
1天理よろづ相談所病院皮膚科
1Department of Dermatology, Tenri Hospital
キーワード:
根管治療剤
,
アナフィラキシーシヨック
,
パラホルムアルデヒド
Keyword:
根管治療剤
,
アナフィラキシーシヨック
,
パラホルムアルデヒド
pp.1067-1069
発行日 1996年12月1日
Published Date 1996/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412902038
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パラホルムアルデヒドを含む歯科用根管治療剤でアナフィラキシーショックを起こした39歳,女性の症例を報告した.全身に蕁麻疹が出現していたため皮膚科を受診したが,血圧が低下しており,蕁麻疹はアナフィラキシーショックの皮膚症状と考えられた.根管治療剤のas isおよびパラホルムアルデヒドを用いた皮膚テストで陽性所見を得,根管治療剤によるアナフィラキシーショックと診断した.パラホルムアルデヒドは体温で徐々にホルムアルデヒドを遊離し,ホルムアルデヒドに対してI型アレルギーが成立している個体でアナフィラキシーショックを誘発する.ホルムアルデヒドの遊離は極めて徐々であるため,根管治療剤の使用からショック症状の発現までは数時間を要し,即時型反応のメカニズムでありながら症状の発現までに長時間を要する点に留意すべきである.
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