Japanese
English
原著
妊娠性疱疹—自験例の報告と本邦報告例の検討
Herpes Gestationis: Report of Our Case and Stastistical Study of the Cases Reported in Japan
加倉井 真樹
1
,
鈴木 正之
1
,
佐藤 俶也
2
,
原田 重徳
3
,
矢尾板 英夫
1
Maki KAKURAI
1
,
Masayuki SUZUKI
1
,
Hideya SATO
2
,
Shigenori HARADA
3
,
Hideo YAOITA
1
1自治医科大学皮膚科学教室
2佐藤皮フ科クリニック
3シオノギ医科研
1Department of Dermatology, Jichi Medical School
2Sato Dermatology Clinic
3Shionogi Institute for Medical Science
キーワード:
妊娠性疱疹
,
類天疱瘡
Keyword:
妊娠性疱疹
,
類天疱瘡
pp.1161-1167
発行日 1993年12月1日
Published Date 1993/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901064
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妊娠性疱疹の1例を報告し,あわせて本疾患と類天疱瘡との関係について考察を試みた.症例は43歳,女性.妊娠6週頃,瘙痒性浮腫性紅斑出現し,徐々に増数拡大し,緊満性水疱を形成するようになった.組織学的には表皮下水疱で,蛍光抗体直接法では基底膜部にC3とIgGの沈着をIgG subclassはIgG1, IgG2, IgG4の沈着を認めた.間接法ではIgG classの抗基底膜抗体を認め,さらに補体結合価は5倍まで陽性であった.抗原の分子量は180kDであった.患者血清よりIgG subclassを分離精製したところIgG1,IgG2,IgG3,IgG4に抗基底膜抗体が認められ,その補体結合能を調べたところIgG1に補体結合能を認めたが,他のIgG subclassには補体結合能が認められなかった.妊娠9週目,稽留流産のため子宮内容除去術を受けたが皮疹は増悪した.プレドニゾロン50mg/日を内服し,その後皮疹は徐々に改善した.
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