Japanese
English
原著
過去20年間における尋常性乾癬に対するPUVA療法の小括—1副作用例を中心に
A summary of PUVA therapy for psoriasis vulgaris in recent 20 years:focusing on a case with side effect
佐藤 優子
1,2
,
梁取 明彦
1
,
山蔭 明生
1
,
山崎 雙次
1
Yuko SATO
1,2
,
Akihiko YANADORI
1
,
Akio YAMAKAGE
1
,
Soji YAMAZAKI
1
1獨協医科大学皮膚科学教室
2聖マリアンナ医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Dokkyo University School of Medicine
キーワード:
乾癬
,
PUVA
,
PUVA角化症
,
日光角化症
,
ボーエン病
Keyword:
乾癬
,
PUVA
,
PUVA角化症
,
日光角化症
,
ボーエン病
pp.673-677
発行日 1996年8月1日
Published Date 1996/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901939
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尋常性乾癬に対するPUVA療法の効果,発癌性などの副作用について,改めて検証してみた.患者80例にPUVA療法を平均総照射量約1050J/cm2施行した.プロトコールに準じて施行した患者には,色素沈着およびUVA照射装置の誤操作等による熱傷様の発赤,疼痛,痒み,水疱以外の副作用は認められなかったが,タール軟膏外用の既往があり,PUVAのみならずUVBの照射も受けた62歳,男性例にPUVA keratosis,日光角化症ないしボーエン病様病変の多発をみた.PUVA療法の副作用としての腫瘍性病変の発現は,欧米からの報告と異なり,本邦では現在までPUVA療法単独による発癌は報告されておらず,1)skin type,年齢,2)皮膚癌の既往,3)砒素,タール,免疫抑制剤,放射線,UVB等の暴露,4)PUVAの長期大量照射,5)PUVA Ientiginesの発生などに留意すれば,いたずらに発癌を恐れる必要はないと考えられた.
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