臨床薬理学 薬物療法の考え方・5
薬物相互作用の考え方(1)
中野 重行
1
Shigeyuki NAKANO
1
1愛媛大学医学部・薬学部
pp.839-848
発行日 1981年5月10日
Published Date 1981/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217177
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薬物療法においては,1種類だけの薬物が投与される場合よりも,2種類以上の薬物が同時に併用されることのほうが多い.このような多剤併用の場合に,ある薬物が他の薬物の作用を増強したり,逆に減弱したりすることが起こりうる.今回はこのような薬物の相互作用(drug interaction)について考えてみよう.
同時に投与された2種類の薬物の間にみられる薬物相互作用は,ある場合には薬物による副作用の原因となるし,またある場合には,これを上手に利用することにより,薬物の有効性を高めることも可能となる.そこで,薬物相互作用が起こりうるメカニズムについての十分な理解と知識をもつことが,科学的な合理的薬物療法を実践するための必要な条件となる.
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