Japanese
English
症例報告
自傷性皮膚障害と考えられた顔面の遷延性皮膚潰瘍の1例
A case of facial skin ulcer probably prolonged by artifact
山田 朋子
1
,
臼井 恵太郎
1
,
出光 俊郎
1
,
矢尾板 英夫
1
Tomoko YAMADA
1
,
Keitaro USUI
1
,
Toshio DEMITSU
1
,
Hideo YAOITA
1
1自治医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Jichi Medical School
キーワード:
顔面潰瘍
,
接触皮膚炎
,
自傷性皮膚潰瘍
,
壊疽性膿皮症
Keyword:
顔面潰瘍
,
接触皮膚炎
,
自傷性皮膚潰瘍
,
壊疽性膿皮症
pp.235-237
発行日 1996年3月1日
Published Date 1996/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901791
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顔面に3年間難治性の潰瘍局面を生じ,臨床像は壊疽性膿皮症および深在性真菌症,皮膚結核に類似していたが,諸検査より否定され,入院後,急速に治癒し,以後,再発をみない特異な潰瘍を経験したので報告する.症例は44歳の明るい性格の女性である.3年前より左口角部に潰瘍が出現し,以後,拡大し来院した.初診時,左口角部から頬部にかけて6×4cmの不整形の潰瘍局面があり,辺縁は鋭利で平滑,潰瘍底面は鮮紅色調の肉芽を有していた.同部の細菌,抗酸菌および真菌培養は陰性.組織所見は非特異的であった.使用していた外用剤,および消毒薬の貼布試験は陰性であった.抗生剤の点滴と外用により,20日間で瘢痕治癒した.以後,4年間再発をみない.本症例の潰瘍が長期にわたり,遷延化した原因としては掻破などの機械的刺激(自傷行為)および不適切な外用剤の使用が関与している可能性が高いと推察された.
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