Japanese
English
臨床統計
壊死性筋膜炎10例の統計的観察—I型とII型の比較
A statistical study on ten cases of necrotizing fasciitis
石井 寛
1
,
成澤 寛
1
,
幸田 弘
1
Yutaka ISHII
1
,
Yutaka NARISAWA
1
,
Hiromu KOHDA
1
1佐賀医科大学内科学皮膚科
1Division of Dermatology, Department of Internal Medicine, Saga Medical School
キーワード:
壊死性筋膜炎I型—II型
,
streptococcal toxic shock svndrome
Keyword:
壊死性筋膜炎I型—II型
,
streptococcal toxic shock svndrome
pp.18-20
発行日 1996年1月1日
Published Date 1996/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901737
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佐賀医科大学皮膚科で経験した壊死性筋膜炎の10例について統計的観察を行った.A群連鎖球菌の分離されたII型に属する5例は,いずれも1月から3月までの冬季に発病しており,うち3例はstreptococcal toxic shock syndromeに該当した.この3症例は有明海に面した鹿島市周辺の住民であり,検査しえた2例の菌型はともにT—1,M−1, SPE-B型であった.嫌気性菌を主として原因菌とするII型の5例には,地域特異性や季節との関連はみられなかった.I型の5例中4例は重篤な基礎疾患を有し,うちショック状態で来院した2例は死亡した.以上よりI型の病態には個体の免疫学的要因が,II型には菌の毒性の要因が大きく関与するものと思われた.
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