Japanese
English
症例報告
ボクサー耳に生じたchondrodermatitis nodularis helicisの1例
A case of chondrodermatitis nodularis helicis in a boxer's ear
松江 啓子
1
,
加藤 直子
1
Keiko MATSUE
1
,
Naoko KATO
1
1国立札幌病院皮膚科
1Department of Dermatology, National Sapporo Hospital
キーワード:
chondrodermatitis nodularis helicis
,
ボクサー耳
,
軟骨膜炎
Keyword:
chondrodermatitis nodularis helicis
,
ボクサー耳
,
軟骨膜炎
pp.921-923
発行日 1995年10月1日
Published Date 1995/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901677
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75歳,男性.過去にボクサーとして顔面,頭部に殴打が繰り返され,両耳介は硬く肥厚性に変形し,いわゆるボクサー耳を呈していた.臨床的に右耳輪に直径7mmの有痛性の小結節を認め,病理組織学的に中心部の表皮の欠損と,その部からの好酸性に染色される壊死物質の排出像を示した.真皮内には管腔の拡張と増生,および肉芽組織が形成され,真皮下層には層状の軟骨膜の肥厚を認めた.これらからchondrodermatitis nodularis helicis(CNH)と診断した.CNHの誘因として凍瘡,熱傷,ヘルメットの常用などがあげられているが,ボクサー耳に生じた報告はない.自験例は,ボクサー耳に認められる肥厚した軟骨膜の存在が,perforating disorderに属する疾患と考えられる本症の一因となったと考えられた.
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