Japanese
English
原著
足底の先天性色素性母斑に発症した表在拡大型黒色腫—ホルマリン固定・パラフィン包埋未染標本の螢光法的所見
A case of superficial spreading melanoma developing on congenital melanocytic nevus on the sole : Fluorescence microscopic findings of formalin fixed and paraffin embedded unstained specimens
藤田 日出雄
1
,
森嶋 隆文
1
,
千野 一夫
1
,
下島 博之
1
,
原 弘之
1
Hideo FUJITA
1
,
Takafumi MORISHIMA
1
,
Kazuo CHINO
1
,
Hiroyuki SHIMOJIMA
1
,
Hiroyuki HARA
1
1日本大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Nihon University School of Medicine
キーワード:
先天性色素性母斑
,
表在拡大型黒色腫
,
HMB−45免疫染色
,
ホルマリン固定・パラフィン包埋未染標本の螢光法
Keyword:
先天性色素性母斑
,
表在拡大型黒色腫
,
HMB−45免疫染色
,
ホルマリン固定・パラフィン包埋未染標本の螢光法
pp.119-123
発行日 1995年2月1日
Published Date 1995/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901434
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右足底の長径2.5cmの先天性色素性母斑に発症した表在拡大型黒色腫(SSM)の85歳,女性例を報告した.病巣の外側部は皮丘,皮溝ともに着色し,通常の足底色素斑の外観を呈し,中央部から内側寄りに黒褐色腫瘤がみられ,腫瘤の内側部を囲む色素斑では皮丘や皮溝は消失し,扁平台状に隆起していた,病理組織学的には,それぞれ境界母斑,SSM, SSM in situであった.以上の所見から,境界母斑であった先天性色素性母斑が80有余年の長きを経てこれに相接してSSM in situが進展し,次いでSSMが発症した稀有な症例と考えられた.HMB−45免疫染色による境界母斑とSSM in situ部との鑑別は困難であった.ホルマリン固定・パラフィン包埋未染色標本の螢光法的所見はSSM in situ部では境界母斑と異なって黄緑色〜黄色の特異螢光を発する腫瘍細胞巣がみられ,腫瘍を覆うケラチノサイトに特異螢光が認められた.
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