Japanese
English
症例報告
脂腺母斑上に生じた多彩な組織像を呈した二次性腫瘍
Secondary tumors on a sebaceous nevus representing pleomorphic histologic features
原田 洋至
1
,
郡司 裕則
1
,
岩月 啓氏
1
,
小野 一郎
1
,
金子 史男
1
Hiroshi HARADA
1
,
Hironori GUNJI
1
,
Keiji IWATSUKI
1
,
Ichiro ONO
1
,
Fumio KANEKO
1
1福島県立医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Fukushima Medical College
キーワード:
脂腺母斑
,
二次性腫瘍
Keyword:
脂腺母斑
,
二次性腫瘍
pp.617-619
発行日 1994年6月1日
Published Date 1994/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901257
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19歳,女性.出生時より左側頭部に存在する脂腺母斑上に,13歳頃より有茎性腫瘤が出現し徐々に増大した.腫瘤を切除し,後日脂腺母斑を全摘したところ,腫瘤部は2種の異なる組織像を示し,母斑内は2カ所の微小二次性腫瘍の発生が認められた.母斑内に認められた2つはsyringocystadenoma papilliferum(SAP)とsebor—rheic keratosisであった.腫瘍部の大部分はtrichilemmomaに類似の組織像を示し,その一部にSAPに類似する部分が存在したが,いずれも典型的な組織像ではなかった.脂腺母斑上に発生する二次性腫瘍は非常に多彩であり,その成因として多くの皮膚構成成分が関与し特有の生活史を有する母斑としての特殊性による可能性が考えられた.
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