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Rinsho Hifuka Volume 48, Issue 1 （January 1994）

臨床皮膚科 48巻1号（1994年1月発行）

Japanese English

症例報告

外陰部Paget癌の剖検例 An autopsy case of genital Paget's carcinoma 市川雅子 ¹ , 村木良一 ¹ , 大塚藤男 ¹ , 中村靖司 ² , 小形岳三郎 ² , 野本岩男 ³ Masako ICHIKAWA ¹ , Ryoichi MURAKI ¹ , Fujio OTSUKA ¹ , Yasushi NAKAMURA ² , Takesaburo OGATA ² , Iwao NOMOTO ³ ¹筑波大学臨床医学系皮膚科 ²筑波大学基礎医学系 ³筑波大学臨床医学系内科 ¹Department of Dermatology, University of Tsukuba School of Medicine ²Department of Pathology, University of Tsukuba School of Medicine ³Department of Internal Medicine, University of Tsukuba School of Medicine キーワード：外陰部Paget癌 , 全身転移 , 下肢対麻痺 , Paget細胞 Keyword: 外陰部Paget癌 , 全身転移 , 下肢対麻痺 , Paget細胞 pp.103-106

発行日 1994年1月1日 Published Date 1994/1/1

DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901108

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Abstract 文献概要
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　55歳，男．右陰茎基部に腫瘤を形成し，初診時すでに広範な骨・リンパ節転移を認めた外陰部Paget癌の剖検例を報告した．経過中，腰椎の圧迫骨折を起こし下肢対麻痺，膀胱直腸障害が出現．種々の化学療法に反応せず，初診後1年4カ月で呼吸不全のため死亡した．転移は，脊椎骨，肋骨，胸骨，骨盤骨，傍大動脈・肺門リンパ節，肝，肺，副腎に認められた．組織像：原発巣腫瘤部では，真皮全層にわたり異型性の強いPaget細胞が小胞巣を形成し密に増殖していた．紅斑部では，同様のPaget細胞が表皮内から一部真皮内に広がっていた．転移巣は腫瘤部とほぼ同様の所見を得た．表皮内と一部真皮内のPaget細胞はPAS染色陽性（ジアスターゼ抵抗性）だったが，転移巣では陰性であった．CEA染色でも，原発巣では陽性，転移巣では弱陽性から陰性の細胞が増加した．転移巣腫瘍細胞が未分化細胞へと移行する所見と考えられた．