Japanese
English
今月の症例
汎発性先天性皮膚カンジダ症を合併した角化異常症の1例
A Case of Keratinization Disorder, with Disseminated Congenital Cutaneous Candidiasis
奥田 長三郎
1,3
,
藤原 浩
1
,
伊藤 雅章
1
,
小川 淳
2
Chozaburo OKUDA
1,3
,
Hiroshi FUJIWARA
1
,
Masaaki ITO
1
,
Atsushi OGAWA
2
1新潟大学医学部皮膚科学教室
2新潟大学医学部小児科学教室
3済生会三条病院皮膚科
1Department of Dermatology, Niigata University School of Medicine
2Department of Pediatrics, Niigata University School of Medicine
キーワード:
先天性皮膚カンジダ症
,
角化異常症
Keyword:
先天性皮膚カンジダ症
,
角化異常症
pp.847-851
発行日 1993年9月1日
Published Date 1993/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900995
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1カ月,女児.出生時に羊水混濁あり.生下時から全身皮膚に高度の角質増殖あり.水疱,膿疱なし.組織学的に角層の著明な増生を伴う表皮肥厚をみるが,顆粒変性なし.角層に無数の真菌要素をみる.真皮上層に単核細胞が密に浸潤し,その多くはT細胞でHLA-DRを発現する.表皮直下で毛細血管が増生,拡張.ケラチン染色で,BKN−1は陰性,HKN−2と4は正常に染まる.電顕的に,ケラチノサイトは少量の張原線維と発達不良のデスモゾームを有し,脂質滴を基底層から含有する.層板顆粒の産生なし.ところどころで変性した浸潤細胞をみる.角質片からCandida al—bicans Aを分離.抗真菌剤と亜鉛華軟膏を外用し,角質は急速に剥離して糜爛となったが,上皮化とともに再び角質が肥厚し,全身状態不良で生後2カ月半で死亡.胸腺の低形成あり.先天性皮膚カンジダ症の範疇に含まれるが,基礎疾患として一種の角化異常症が存在すると思われた.
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