Japanese
English
症例報告
皮膚に巨大潰瘍を形成した乳癌の1例
A Case of Breast Carcinoma with Large Skin Ulcer Formation
大石 雅樹
1
,
加藤 文博
1
,
岸 浩之
1
,
田中 智
1
,
昆 みゆき
1
,
飯田 憲治
1
,
前田 和男
1
,
嵯峨 賢次
1
,
高橋 誠
1
,
岡崎 稔
2
,
及川 修
3
Masaki OISHI
1
,
Fumihiro KATOH
1
,
Hiroyuki KISHI
1
,
Satoshi TANAKA
1
,
Miyuki KON
1
,
Kenji IIDA
1
,
Kazuo MAEDA
1
,
Kenji SAGA
1
,
Makoto TAKAHASHI
1
,
Minoru OKAZAKI
2
,
Osamu OIKAWA
3
1札幌医科大学皮膚科学教室
2札幌医科大学第一外科学教室
3及川皮膚科医院
1Department of Dermatology, Sapporo Medical University, School of Medicine
21st Department of Surgery, Sapporo Medical University, School of Medicine
3Oikawa Dermatological Clinic
キーワード:
原発性乳癌
,
巨大皮膚潰瘍
,
免疫組織化学
,
CEA
,
c-erbB-2蛋白
Keyword:
原発性乳癌
,
巨大皮膚潰瘍
,
免疫組織化学
,
CEA
,
c-erbB-2蛋白
pp.709-712
発行日 1993年7月1日
Published Date 1993/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900964
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58歳,女性の皮膚に巨大潰瘍を形成した原発性乳癌の1例を報告した.初診時,右胸部に10.0×8.0cmの巨大潰瘍を伴った14.5×10.0cmの皮下腫瘤,胸骨正中部および左胸部には衛星皮膚結節を認めた.右鎖骨上および両側腋窩リンパ節を触知した.組織像は充実腺管癌であり,stage IVの末期乳癌と診断された.自験例を腫瘍マーカーを用いて検討したところ,血清腫瘍マーカーではCAl5-3 146.6U/ml(正常値5〜21U/ml)が異常高値を示し,carcinoembryonic antigen(CEA)14.2ng/ml(正常値0〜5.9ng/ml),フェリチン134.7ng/ml(正常値5〜120ng/ml)も高値を示した.Neuron specific enolase(NSE)は正常範囲内にとどまった.免疫組織化学的にはCEAは腫瘍細胞に一致して強陽性であったが,血清中では検出できなかったNSEも腫瘍細胞に一致して強陽性であった.EMAは強陽性,c-erbB-2蛋白は弱陽性であった.血清腫瘍マーカーおよび免疫組織化学的検討が乳癌の補助診断として有用と考えられた.
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