Japanese
English
特集 最近のトピックス Clinical Dermatology 1993
II 皮膚疾患の病態
日光と皮膚癌
The sunlight and skin cancer
市橋 正光
1
Masamitsu ICHIHASHI
1
1神戸大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Kobe University School of Medicine
キーワード:
紫外線発癌
,
皮膚癌
,
光免疫
,
癌遺伝子
,
癌抑制遺伝子
Keyword:
紫外線発癌
,
皮膚癌
,
光免疫
,
癌遺伝子
,
癌抑制遺伝子
pp.73-79
発行日 1993年4月15日
Published Date 1993/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900885
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日本も高齢化社会となり日光曝露部皮膚癌患者数も近年有意に増加している.今後オゾン層の破壊から地表有害中波長紫外線(UVB)が増加すれば皮膚癌はさらに増加する.白人を対象とした疫学的調査および動物に人工UVを照射しての発癌実験結果よりUVBが紫外線発癌の作用波長であることなどが明らかにされている.近年では光免疫学が新しい学問の領域として着実に進歩し,DNA損傷が引き金となってUVBによる局所および全身性免疫抑制が誘導されることが明らかにされている.免疫抑制が皮膚癌発生の重要な要因との考え方も確立されつつある.一方,UV発癌のDNA損傷と修復に関する情報も蓄積され,さらに癌遺伝子の活性化および癌抑制遺伝子の不活化がDNAに生ずるピリミジン2量体との関連で明らかにされつつあり,UVによる多段階発癌の遺伝子レベルでの機序が少しずつ明らかにされてきている.
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