Japanese
English
症例報告
フルコナゾールが奏効した原発1生皮膚クリプトコックス症の1例
Successful Treatment of Primary Cutaneous Cryptococcosis with Fluconazole
能川 昭夫
1,3
,
富中 和夫
1
,
藤田 幸雄
1
,
宇賀治 陽一
2
,
宮崎 良一
2
Akio NOGAWA
1,3
,
Kazuo TOMINAKA
1
,
Yukio FUJITA
1
,
Youichi UGAJI
2
,
Ryouichi MIYAZAKI
2
1藤田記念病院皮膚科
2藤田記念病院内科
3金沢大学医学部皮膚科学教室
1Division of Dermatology, Fujita Memorial Hospital
2Division of Internal Medicine, Fujita Memorial Hospital
キーワード:
原発性皮膚クリプトコックス症
,
フルコナゾール
,
Cryptococcus neoformans serotype D
Keyword:
原発性皮膚クリプトコックス症
,
フルコナゾール
,
Cryptococcus neoformans serotype D
pp.383-386
発行日 1993年4月1日
Published Date 1993/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900863
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原発性皮膚クリプトコックス症の1例を報告した.症例は57歳,女性.初診の20日前外傷後に左第3指末節腹に硬結が生じた.その後左前腕伸側に小丘疹が散在性に出現した.病理組織像は指・前腕ともに慢性肉芽腫様病変があり,周囲に明るい空隙を伴ったPAS陽性の胞子状菌要素を少数認めた.指・前腕の生検組織のサブローブドウ糖寒天培地による培養にて酵母様菌が分離された.それぞれの分離株は同一菌種でCryptococcus neoformans serotype Dと同定できた.喀痰,尿,脊髄液からの培養はすべて陰性であった.C.neoformansに対する抗原は検出されず,抗体価は4倍であった.12週間のフルコナゾール投与により,瘢痕治癒状態になった.左前腕の皮疹は左第3指の原発巣からのリンパ行性播種によるものと考えた.
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