Japanese
English
症例報告
フィブリン糊による接着植皮を施行した臀部慢性膿皮症(汎発型)の1例
A Case of Chronic Perianal Pyoderma Treated with Graft Adhered by Fibrin
藤岡 範子
1
,
西川 千香子
1
,
山田 裕道
1
,
高森 建二
1
Noriko FUJIOKA
1
,
Chikako NISHIKAWA
1
,
Hiromichi YAMADA
1
,
Kenji TAKAMORI
1
1順天堂大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Juntendo University School of Medicine
キーワード:
臀部慢性膿皮症
,
フィブリン糊
,
白血球機能
Keyword:
臀部慢性膿皮症
,
フィブリン糊
,
白血球機能
pp.51-55
発行日 1993年1月1日
Published Date 1993/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900797
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臀部の膿皮症を主症状とし,項部,腋窩部にも同様病変を認めた臀部慢性膿皮症(汎発型)の50歳男性例を報告した.臀部の膿皮症については病巣部を切除し,生物学的組織接着剤であるフィブリン糊を用いた分層(網状)植皮術を行った.フィブリン糊による接着植皮術は,本症のように安静が保ちにくく,適当なタイオーバーが困難な部位での植皮の際に有効な手段であると思われた.本症の発症要因については現在なお明らかではないが,自験例では白血球機能について検討を行ったところ,好中球殺菌能の著しい低下が認められた.このことより,本症の病像形成に好中球の殺菌能の低下が関与している可能性が示唆された.
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