Japanese
English
症例報告
ネフローゼ症候群に合併したEosinophilic Panniculitisの1例
A Case of Eosinophilic Panniculitis in a Patient with Nephrotic Syndrome
谷田 宗男
1
,
蔵本 陽子
1
,
成田 満義
2
Muneo TANITA
1
,
Yoko KURAMOTO
1
,
Mituyoshi NARITA
2
1東北大学医学部皮膚科学教室
2東北大学医学部第2内科
1Department of Dermatology, Tohoku University School of Medicine
2Second Department of Internal Medicine, Tohoku University School of Medicine
キーワード:
ネフローゼ症候群
,
eosinophilic panniculitis
,
末梢血好酸球増多
Keyword:
ネフローゼ症候群
,
eosinophilic panniculitis
,
末梢血好酸球増多
pp.917-920
発行日 1992年10月1日
Published Date 1992/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900739
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41歳男性.初診1988年9月.19年前より微小変化型ネフローゼ症候群の診断でプレドニンによる治療を受けていた.初診1カ月前より両大腿部に痒みを伴う浸潤性紅斑が出現し徐々に拡大した.末梢血で好酸球を16%認め,IgE値も高かった.皮疹部の組織は脂肪織を中心に密な好酸球の浸潤があり壊死性血管炎を伴っていた.プレドニン40mgの隔日投与でも皮疹の増大は抑えられなかった.また右鼠径リンパ節が腫脹し,その組織でも多数の好酸球の浸潤が認められた.蛋白尿は一時軽快傾向にあったが1989年6月より再出現,プレドニン40mg連日投与にしたが,急性心筋梗塞を起こし死亡した.剖検では肝腫大,心内血栓が認められた.本症例は近年報告されているeosinophilic panniculitisに一致するものと考え,木村病との異同,およびhypereosinophilic syndromeの概念につき若干の考察を加え,あわせて報告した.
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