Japanese
English
今月の症例
多数の結節性病変を生じた正脂血性黄色腫症
Normolipemic Xanthomatosis with Multiple Tuberous Lesions
紀平 知香
1
,
山上 温子
1
,
谷口 芳記
1
,
清水 正之
1
,
中村 保夫
2
Chika KIHIRA
1
,
Atsuko YAMAKAMI
1
,
Yoshiki TANIGUCHI
1
,
Masayuki SHIMIZU
1
,
Yasuo NAKAMURA
2
1三重大学医学部皮膚科学教室
2山田赤十字病院皮膚科
1Department of Dermatology, Mie University School of Medicine
2Department of Dermatology, Yamada Red Cross Hospital
キーワード:
結節性黄色腫
,
腱黄色腫
,
正脂血症
Keyword:
結節性黄色腫
,
腱黄色腫
,
正脂血症
pp.809-812
発行日 1992年9月1日
Published Date 1992/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900714
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75歳,女性.60歳頃より顔面,前胸部,四肢伸側に多数の黄褐色結節が出現し,徐々に増大した.血縁者に同症はなく,基礎疾患もみられない.組織では,真皮内の膠原線維間にTouton型巨細胞を混じる多数の泡沫細胞を認めた.血清中のコレステロール,中性脂肪,コレスタノールは正常であったが,HDLコレステロール,アポ蛋白AIは軽度の低下がみられた.本症例における黄色腫の形成要因として,その分布様式から,慢性機械的刺激,日光暴露による毛細血管障害などが考えられた.また他の要因として,HDLコレステロール,アポ蛋白AIの低下も考えられたが,皮疹の主体である結節性黄色腫に加え,腱黄色腫および眼瞼黄色腫も存在したことから,上記因子だけでなく,未知の異常脂質が存在する可能性も考えられた.
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