Japanese
English
症例報告
Fournier's Gangreneの1例
A Case of Fournier's Gangrene
伊藤 理
1
,
秦 維郎
1
,
矢野 健二
1
,
松賀 一訓
1
,
松田 秀則
1
,
古市 浩美
1
,
芝本 英博
1
,
井川 和彦
2
,
井川 淳
2
Osamu ITO
1
,
Yuiro HATA
1
,
Kenji YANO
1
,
Kazunori MATSUKA
1
,
Hidenori MATSUDA
1
,
Hiromi FURUICHI
1
,
Hidehiro SHIBAMOTO
1
,
Kazuhiko IGAWA
2
,
Sunao IGAWA
2
1香川医科大学形成外科
2井川外科病院
1Department of Plastic & Reconstructive Surgery, Kagawa Medical School
2Igawa Hospital of Surgery
キーワード:
Fournier's gangrene
,
陰嚢壊疽
,
薬剤誤用
,
ステロイド
,
保存療法
Keyword:
Fournier's gangrene
,
陰嚢壊疽
,
薬剤誤用
,
ステロイド
,
保存療法
pp.565-568
発行日 1992年6月1日
Published Date 1992/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900660
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Fournier's gangreneは男性会陰部に突然発症し急激に陰嚢皮膚が壊疽に陥る非特異的感染症である.1884年のFournierの報告以来,欧米で約400例,本邦で38例の報告がある.今回われわれはステロイド外用剤の誤用によって発症したと思われる本症の66歳男性例に対し,保存的治療を行い,軽快させたので本邦報告例をまとめて報告する.衛生観念および抗生物質の発達により,本症は稀になったといわれるが,それだけに近年の罹患者は感染に対する抵抗力の低下した特殊な状況におかれていると考えられる.本邦報告例ではその過半数が糖尿病などの全身疾患を背景にもっていた.本症は急性期に敗血症等で死亡することもある.皮膚壊疽については保存的に十分治癒するが時間を要し,拘縮の問題から陰茎に皮膚欠損を生じた場合は積極的に植皮等を施行すべきかもしれない.また薬剤誤用を防ぐために医療側は薬剤情報を患者によく説明すべきであると考える.
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