Japanese
English
特集 最近のトピックス Clinical Dermatology 1992
II 皮膚疾患の病態
γδT細胞の意義
The significance of γδT cells
島田 眞路
1
Shinji SHIMADA
1
1東京大学医学部附属病院分院皮膚科
1Department of Dermatology, Tokyo University Branch Hospital
キーワード:
γδT細胞
,
樹枝状表皮T細胞
,
Thy1+樹枝状表皮細胞
,
パーフォリン
,
heat shock protein
Keyword:
γδT細胞
,
樹枝状表皮T細胞
,
Thy1+樹枝状表皮細胞
,
パーフォリン
,
heat shock protein
pp.62-66
発行日 1992年4月15日
Published Date 1992/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900607
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γδT細胞の特徴を最近の知見を含め概説した.マウスにおいては胎児胸腺に存在するγδT細胞と各種上皮内に存在するγδT細胞のT細胞レセプターが一致する.すなわち最も早期にあらわれるVγ5—Vδ1は皮膚に,次にあらわれるVγ6—Vδ1は生殖器官,舌上皮に,成熟マウスのVγ7—Vδ4,5,6は腸管上皮に存在する.マウス皮膚の樹枝状表皮T細胞(DETC)に関して最近われわれは,minor populationではあるがVγ1—Vδ6というheat shock protein(HSP)を認識するタイプが存在することをPCR法を用いて報告した.さらにDETCの機能であるが,in vivoにおいてキラーT細胞に特有のパーフォリンの存在を確認し,キラーT細胞であることをみいだした.またヒト・マウスγδT細胞のリガンドとしてMHC classIbやHSPが注目されていること,さらにはヒトの感染症やサルコイドーシス,自己免疫疾患においてもγδT細胞はHSPを認識するキラーT細胞として,あるいはヘルパーT細胞として一定の役割をはたしている可能性のあることを指摘した.
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