Japanese
English
今月の症例
妊娠後期にみられた紅斑を伴った色素沈着(色素分界線条)の2例
Pigmentary Demarcation Lines with Erythema associated with Pregnancy
小澤 宏明
1
,
六郷 正和
1
,
阿部 雪江
2
Hiroaki OZAWA
1
,
Masakazu ROKUGO
1
,
Yukie ABE
2
1いわき市立総合磐城共立病院皮膚科
2いわき市立総合磐城共立病院産婦人科
1Department of Dermatology, Iwaki Kyoritsu General Hospital
2Department of Obstetrics and Gynecology, Iwaki Kyoritsu, General Hospital
キーワード:
色素分界線条
,
妊娠
,
色素沈着
,
紅斑
Keyword:
色素分界線条
,
妊娠
,
色素沈着
,
紅斑
pp.337-339
発行日 1992年4月1日
Published Date 1992/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900583
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共に経過順調な妊娠8カ月の妊婦に出現した下肢屈側の左右対称,境界明瞭な紅斑を伴う淡褐色の色素斑,すなわち,妊娠に伴った色素分界線条2例を経験した.症例1は大腿から膝窩にかけて,症例2は,大腿から下腿にかけての屈側全体に皮疹が分布していた.分娩後,紅斑は速やかに消褪し,色素沈着は残るが,それも次第に消褪傾向を示した.色素斑はこれまで報告された妊娠に伴う色素分界線条のように自験例でも下肢に現れ,しかも,皮神経の支配領域に一致していた.以上より,妊娠に伴う単なる下肢の循環不全や,生理的な色素増強でなく,ある程度選択的な神経圧迫などの影響があって出現したものと考察した.
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