Japanese
English
原著
多彩な症状を伴った魚鱗癬症候群—Refsum症候群とRud症候群の中間型
Ichthyosis Syndrome with Varied Clinical Symptoms: Intermediated Type between Refsum's Syndrome and Rud's Syndrome
栄花 芳典
1
,
増谷 衛
2
,
上田 宏
2
Yoshinori EIKA
1
,
Mamoru MASUTAN
2
,
Hiroshi UEDA
2
1碧南市民病院皮膚科
2藤田保健衛生大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Hekinan Municipal Hospital
2Department of Dermatology, Fujita Health University School of Medicine
キーワード:
魚鱗癬症候群
,
眼症状
,
骨変形
,
神経症状
,
性機能不全
Keyword:
魚鱗癬症候群
,
眼症状
,
骨変形
,
神経症状
,
性機能不全
pp.331-336
発行日 1992年4月1日
Published Date 1992/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900582
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42歳,女性.生下時より魚鱗癬様紅皮症のごとき皮膚を呈し,主な組織学的所見としては,不全角化を伴う角質増殖であり,表皮全体としても軽度に肥厚を認める.皮膚症状以外には,眼症状として白内障と黄斑部変性,手足の骨変形,深部腱反射の低下,神経性難聴を認め,陰毛の粗生・生理の遅発および早期閉経・ホルモン検査上閉経後のパターンを示すことより性機能不全なども疑わせ,魚鱗癬に多臓器の症状を伴う魚鱗癬症候群を強く疑わせる.現時点において,我々の知り得る範囲では,自験例にみられたような臨床症状を呈する魚鱗癬症候群は存在しない.そのことから自験例は新しい魚鱗癬症候群の一型と考えられる可能性も否定できない.現時点では,Rud症候群よりはRefsum症候群様を呈した魚鱗癬症候群と考えたい.
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