Japanese
English
原著
悪性黒色腫20年間の推移—東北大学皮膚科150例の観察
Change of Epidemiological Characteristics of Malignant Melanoma during 20 Years
加藤 泰三
1
,
末武 茂樹
1
,
杉山 泰子
1
,
谷田 泰男
1
,
竹松 英明
1
,
富田 靖
1
,
田上 八朗
1
Taizo KATO
1
,
Takaki SUETAKE
1
,
Yasuko SUGIYAMA
1
,
Yasuo TANITA
1
,
Hideaki TAKEMATSU
1
,
Yasushi TOMITA
1
,
Hachiro TAGAMI
1
1東北大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Tohoku University School of Medicine
キーワード:
悪性黒色腫
,
末端型黒色腫
,
結節型黒色腫
,
粘膜型黒色腫
,
新stage分類
Keyword:
悪性黒色腫
,
末端型黒色腫
,
結節型黒色腫
,
粘膜型黒色腫
,
新stage分類
pp.327-330
発行日 1992年4月1日
Published Date 1992/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900581
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1970年より1990年の21年間の当教室における悪性黒色腫の症例は150例である.新stage分類による推移では,Stage IIIが一定して多く,Stage IVの症例が減少し,逆にStage IIの増加が認められた.病型別には末端型が最も多いものの,1980年前後での比較では増加傾向はみられない.これに対して,結節型黒色腫は1980年以後,年々増加する傾向がある.予後に関しては末端型のものが著しい改善を示している.1975年以前と1976年から1985年までのものを比較すると,5年生存率は各々28%,75%である.しかし,腫瘍の厚さが4mmを越えるものではきわめてその予後が悪い.結節型黒色腫は予後の改善傾向は全く認められず,したがってこのタイプの黒色腫の増加は今後大きな問題となる可能性がある.粘膜部黒色腫は部位的な差があり,外陰部・鼻腔など解剖学的に早期発見が困難な部位の黒色腫の予後がきわめて悪い.
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