Japanese
English
症例報告
脂漏性角化症と誤診した悪性黒色腫の2例
Two Cases of Malignant Melanoma Misdiagnosed as Seborrheic Keratosis
工藤 和浩
1
,
熊坂 中
1
,
谷田 泰男
1
,
加藤 泰三
1
Kazuhiro KUDOH
1
,
Naka KUMASAKA
1
,
Yasuo TANITA
1
,
Taizo KATO
1
1東北大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Tohoku University School of Medicine
キーワード:
悪性黒色腫
,
脂漏性角化症
,
臨床診断
Keyword:
悪性黒色腫
,
脂漏性角化症
,
臨床診断
pp.861-863
発行日 1989年7月1日
Published Date 1989/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204178
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脂漏性角化症の臨床診断で単純切除を行った後,組織学的に悪性黒色腫と診断された2例を報告した.症例1は68歳の女性で,左上腕伸側に黒褐色斑とドーム状に隆起する黒色結節がみられた.結節の表面は蝋様で鱗屑を伴っており角質を詰めた小陥凹が点在するように見えるなど,脂漏性角化症を思わせる外観を呈していた.組織学的に表在拡大型悪性黒色腫であった.症例2は50歳の男性で,左眉毛部に扁平に隆起する黒色結節がみられた.境界明瞭な正円形の結節で色素のしみ出しはみられず,表面は細顆粒状を呈していた.組織学的に結節型悪性黒色腫であった.悪性黒色腫の臨床診断・鑑別診断,特に脂漏性角化症との鑑別について考察した.
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