原著
Superficial Spreading Melanoma
加藤 泰三
1
,
谷田 泰男
1
,
竹松 英明
1
Taizo KATO
1
,
Yasuo TANITA
1
,
Hideaki TAKEMATSU
1
1東北大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Tohoku University School of Medicine
pp.691-695
発行日 1984年7月1日
Published Date 1984/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203087
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50歳,女性の下腿に出現した表在拡大型悪性黒色腫superficial spreading melano—ma (SSM)の1例を報告する.17×13mm大,境界鮮明,全体がわずかに盛り上がりを示す黒色腫瘤である.色調が単調であることと,受診前10年の間増大傾向が認められなかったことから良性腫瘍を考え,最初腫瘍より数mmの範囲で切除した.病理組織学的にいわゆるpagetoid patternがみられ,最終的にSSM,level 2と診断した.改めて3cmの正常皮膚を含め広範囲切除術を施行した.本症例は東北大学皮膚科の悪性黒色腫100例のうち,日本人として最初の症例である.
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