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今月の症例
朱色刺青部に硬化性萎縮性苔癬,黒色刺青部に半米粒大扁平丘疹の発症をみた1例
Lichen Sclerosus et Atrophicus and Verrucous Papular Lesions Developed in Tatto Areas
山﨑 直也
1,2
,
柳原 誠
1
,
前田 学
1
,
森 俊二
1
Naoya YAMAZAKI
1,2
,
Makoto YANAGIHARA
1
,
Manabu MAEDA
1
,
Shunji MORI
1
1岐阜大学医学部皮膚科学教室
2国立がんセンター中央病院皮膚科
1Department of Dermatology, Gifu University School of Medicine
キーワード:
刺青
,
硬化性萎縮性苔癬
,
疣贅
Keyword:
刺青
,
硬化性萎縮性苔癬
,
疣贅
pp.663-666
発行日 1993年7月1日
Published Date 1993/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900952
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5年前に左胸背部から左上腕にかけて彫った刺青(黒,朱,緑,褐色の4色を使用)に一致して軽い瘙痒と腫脹に気づき来科.初診時,刺青のうち,朱色刺青部は乳白色に混濁し,軽度腫脹と表面の軽い萎縮と落屑を認めた.黒色刺青部では半米粒大の孤立性扁平隆起性丘疹が多発し,その色調は淡黒褐色で,一部は正常皮膚色であった.組織学的には,朱色刺青部は硬化性萎縮性苔癬で,表皮下の浮腫部の中・下層に黒色顆粒を含有するマクロファージが多数浸潤し,その黒色顆粒状物質にはX-raymicroanalysisで水銀の存在が同定された.黒色刺青部の扁平隆起性丘疹は表皮はほぼ正常で,小血管周囲にはリンパ球と黒色顆粒を含有するマクロファージの密な浸潤を認めた.表皮にpapillomavirus抗原を認めなかった.“The verrucous mermaid”と題して報告されている疾患と同様の疾患であると診断した.
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