Japanese
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特集 最近のトピックス Clinical Dermatology 1991
III 新しい検査法と診断法
汎発性強皮症の早期診断
Early diagnosis of scleroderma
竹原 和彦
1
Kazuhiko TAKEHARA
1
1東京大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Faculty of Medicine, University of Tokyo
キーワード:
汎発性強皮症
,
Raynaud現象
,
抗核抗体
,
爪郭部出血点
Keyword:
汎発性強皮症
,
Raynaud現象
,
抗核抗体
,
爪郭部出血点
pp.121-126
発行日 1991年4月15日
Published Date 1991/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900348
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汎発性強皮症は,ほぼ全身の皮膚硬化を伴う重症例より手指等に皮膚硬化が限局する軽症例に至るheterogeneousな疾患であり,皮膚硬化を欠きRaynaud現象のみを有する症例の中にも本症の早期例が多数存在する.これら早期例の診断に際しては,詳細な病歴の聴取,注意深い全身皮膚の観察,抗核抗体をはじめとする種々の血液検査,肺・食道など早期内臓病変の精査,前腕伸側よりの皮膚生検などが重要である.われわれはRaynaud現象を主訴として当科に来院した50例につき詳細に臨床的検討を加えたところ,Raynaud現象のパターン,特異抗核抗体,爪郭部の出血点の3者が早期例の診断に重要であるとの結果が得られ,診断基準非適合例に対しても“scleroderma spectrum disorder”なる幅広い概念で診断すべきと考えた.また厚生省研究班により新たに作成された早期例診断基準を紹介した.
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