特集 皮膚泌尿器科診療の進歩〔2〕
色素沈着症及び色素脱失症の治療
原田 儀一郞
1
1東京医科歯科大学皮膚科泌尿器科
pp.1147-1152
発行日 1955年12月25日
Published Date 1955/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201574
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ここでいう色素とは専らメラニン色素のことである。メラニンがどうしてできるかについては,BlochのDopa説に続いて近年数多くの業績が現われており,又メラニン形成を抑制或は促進する因子の種類とその作用機序についても多くの知見が得れている。これに伴つてメラニン形成の異常を示す疾患の研究も盛んになり,色素沈着乃至脱失の治療に幾つかの新しい方法が導入されるようになつてきた。
一言にして云えば,メラニンの問題に再び学者の関心が集中し,著るしい進展が近年見られるようになつたと云い得るのである。但し臨床については,メラニンの性格からして,すべてに速急の効果が現われない場合があり,又効果が現われても完全でなかつたりするので,尚お今後の進歩に期待されるところが少くないといはなければならない。
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