Japanese
English
--------------------
網状の色素沈着と大水疱の形成を見た色素性蕁麻疹の1例
A CASE OF URTICARIA PIGMENTOSA,WITH RETICULAR PIGMENTATION AND LARGE BULLAE
三浦 隆
1
Takashi MIURA
1
1東北大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, School of Medicine, Tohoku University
pp.52-55
発行日 1959年1月1日
Published Date 1959/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202461
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
緒言
本症は1869年Nittleshipが始めてChronicurticaria Ieaving brown stainsと記載報告して以来80有余年,現今に至る迄既に数百例,本邦に於ても100例を越える報告あり,臨牀像,又組線像に於ても夥多の研究報告がなされて来ている。その分類もUnna型,Rona型等々種々の分類があるが,何れも組織所見に於て肥胖細胞の増殖を特徴とし,その臨牀像と相俟つて診断さるべきものである。多くは生後数週から数ヵ月以内に発生し,蕁麻疹様発作後躯幹,四肢に茶褐色から黄褐色の色素沈着を生じ多く痒感を訴える。時には却つて色素減退を生じることもあり,又水疱を生ずるものもある。経過は一般に慢性,時に自然軽快もあるが,概して適切な治療法はない。
今回,色素沈着が通例の症例に見る如く散在する斑をなさず,網状を呈し,網目の部分は健康皮膚を示す特異な症状を有し,且つ大水疱の形成が著しかつた1例を経験したのでこゝに報告する。
Copyright © 1959, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.